一戸建て住宅ローンの支払いは経費にできる?

個人事業主やフリーランスの方の中には、自宅兼事務所として一戸建て住宅を活用している方も多いでしょう。その場合、「住宅ローンの返済って経費にできるの?」と疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、一戸建ての住宅ローンの支払いが経費になるかどうかを、会計と税務の観点からわかりやすく解説します。

  1. 経費にできるのか?
  2. 経費になるケース
  3. 経費にならないケース
  4. 経費化の注意点
  5. 勘定科目と仕訳の例
  6. まとめ

1. 経費にできるのか?

結論から言うと、住宅ローンの元金返済分は経費になりません。なぜなら、元金は資産の購入に対する支払いであり、税法上は「経費」とは見なされないからです。ただし、利息部分や、建物減価償却費固定資産税・火災保険料等については、業務使用分に限って経費にすることができます。

2. 経費になるケース

以下の支出については、事業使用分に応じて「家事按分」することで経費にできます。

  • 住宅ローン返済のうち、利息分(金融機関の支払明細に記載)
  • 建物の減価償却費(建物価格÷耐用年数)
  • 固定資産税(建物部分)
  • 火災保険・地震保険(建物部分)

これらの支出が業務に関係する面積・時間に基づいて案分されていれば、税務上も経費として認められます。

3. 経費にならないケース

以下のような場合は、経費にはできません。

  • 住宅ローンの元金返済部分
  • 全額私用(プライベートのみ)の住宅に関する支払い
  • 按分の根拠がない支出

住宅ローンの元金は「資本的支出」に該当するため、税務上の経費にはなりません。

4. 経費化の注意点

  • 建物の使用割合(事業:私用)を明確にし、面積・使用時間ベースで家事按分する
  • 金利部分の内訳をローン明細書などから確認して記録
  • 減価償却費は建物価格が対象(土地は減価償却不可)
  • 按分の根拠や計算方法は帳簿にメモしておく

5. 勘定科目と仕訳の例

■ ローン利息月10,000円(業務割合30%)

借方:支払利息 3,000円 / 貸方:普通預金 10,000円
借方:事業主貸 7,000円

■ 建物価格3,600,000円、耐用年数33年 → 年償却費109,090円 → 月9,090円(30%按分)

借方:減価償却費 2,727円 / 貸方:建物減価償却累計額 2,727円

■ 固定資産税(建物分)年額60,000円 → 月5,000円(30%按分)

借方:租税公課 1,500円 / 貸方:普通預金 5,000円
借方:事業主貸 3,500円

6. まとめ

一戸建て住宅のローン支払いのうち、元金返済は経費にできません。しかし、利息や減価償却費、固定資産税・保険料などのうち事業使用部分については、家事按分を行うことで経費にすることが可能です。正確な按分比率と記録の保存が、税務上のリスクを減らすカギになります。事業と私用が混在する場合は、慎重な判断と記録管理を心がけましょう。