海外出張中、ホテルやレストランでチップを支払うことがあります。日本ではあまり馴染みのない文化ですが、「海外で支払ったチップって経費にできるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。この記事では、海外でのチップが経費として認められるかどうか、税務上の考え方と注意点をわかりやすく解説します。
1. 経費にできるのか?
結論から言えば、業務に関係する海外出張中に支払ったチップは経費にできます。ただし、そのチップがあくまで業務で行った施設や受けたサービスの支払いであることが前提です。税務上の「必要経費」として認められるためには、事業に必要な支出であることが重要です。
2. 経費になるケース
以下のようなチップは、業務に必要な支出と認められ、経費として処理することが可能です。
- 海外出張中のホテルでポーターやルームサービスに支払ったチップ
- ビジネス目的で利用したレストランのサービス料
- 現地ガイドやタクシードライバーへのサービス料(商談同行など)
これらは、出張や業務遂行に不可欠なサービスの対価と見なされます。
3. 経費にならないケース
以下のようなチップは、経費にできません。
- 観光やレジャー目的の場面で支払ったチップ
- 家族や友人との旅行中に支払ったチップ
- プライベートな飲食や買い物の場でのチップ
業務と無関係な場面での支出は、たとえ慣習的に必要であっても経費にはなりません。
4. 経費化の注意点
- チップは領収書がないことが多いため、支払日・金額・目的を帳簿に明記
- 出張先・相手先との関連性を記録に残す(例:「ホテル宿泊時チップ」)
- 現地通貨での支払いは日本円換算の記録も忘れずに
- 税務調査に備え、出張全体の業務日程・目的を明確にしておく
5. 勘定科目と仕訳の例
チップの勘定科目は「そのサービスの性質に準じて処理する」のが原則です。つまり、チップも本体の支出と「同じ勘定科目」で処理するのが会計上適切とされています。
■ ホテル滞在中に支払ったチップ(10ドル=1,500円相当)
借方:旅費交通費 1,500円 / 貸方:現金 1,500円
摘要:ホテル宿泊時に支払ったチップ(海外出張)
■ タクシードライバーへのチップ(5ドル=750円)
借方:旅費交通費 750円 / 貸方:現金 750円
摘要:業務移動時のチップ
■ レストランでの商談時に支払ったチップ(サービス料含む)
借方:会議費 2,000円 / 貸方:現金 2,000円
摘要:商談時の飲食・サービス料
6. まとめ
海外出張中に支払うチップも、業務に直接関係していれば経費にすることができます。ただし、プライベートな利用や観光目的でのチップは経費にはできません。領収書がなくても、内容を記録に残しておくことで、正しい経費処理が可能になります。出張の記録や支払内容を明確にして、安心して経費計上できるように備えておきましょう。











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